洋服でいえば、Tシャツとデニムのような普段着感のある『紬の着物』には、どんなタイプの帯をセットすればバランスが取れ調和が見られるでしょうか。
お着物初心者さんへ、紬の着物を着るとき帯とのコーディネートって決まりがあるのかしら、と思っている方に読んで頂きたいブログです。
着物と帯のコーディネート
[織りの着物に染めの帯]や[着物1枚に帯三本]というのは良く聞く言葉です。
洗えるものやデニムなどの新素材も出てきていますし、ファブリック帯なるカジュアルな作りの帯も注目を集めています。
選択肢が増えた分、組み合わせも複雑化しています。
母のお気に入りのコーディネート、たぶん呉服屋さんのおすすめだったのだろうと思いますが、私が同じコーディネートで着付け教室へ伺いましたら、「紬の着物にツヤのある光る素材の帯はNG」と言われてショックを受けました。
流行りや地域性もあるのでしょうけれども、基本的にNGの場合もあります。
多くの初心者さんは紬の着物に袋帯の組み合わせは適切でないと考えているかもしれませんね。
フォーマルな場以外でも使える、柔らかい素材や紬に適した袋帯には『しゃれ袋』という種類があります。
ただし、金糸や銀糸を使用したものは基本的に避けるべきです。
金と銀の糸で織られた帯は、袋帯とか名古屋帯に関係がなく、正式な場から江戸小紋の着物に至るまで、幅広く使われますが、織りの紬の着物にはNGとなっています。
先生曰く、「皆さん着物の色と帯の色を合わせることにしか目がいかないけれど、違うのよね。問題はそこじゃあないのよ。」つまり、着物と帯の格式も合わせておかないと不釣り合いというかチグハグになってしまうんですね。
紬の着物に合わせる帯のNG集
画像にある組み合わせコーディネートが着付け教室でNGといわれたものです。
着物に少し入っているのピンク色と帯のピンクが春らしく、母からこの組み合わせのまま譲り受けたものです。
帯の光沢は画像では分かり難いかもしれませんが、糸そのものに光沢があるので生地にも影響しているのでしょう。
名古屋帯なんですが、光沢が帯の格式を上げてしまうので、正式な場や礼装用のみではないものの、柔らかい小紋だけに使うということになりますね。
こちらの画像の帯は焼き箔ですので、やはり光沢があり光っています。
この組み合わせは秋口に良さそうですがNGとなります。
やはり礼装には使用できませんが柔らか物には出番の多い帯です。
こちらの画像の帯はスワトウの箔です。
名古屋帯ですし、軽くて落ち着いた組み合わせに見えるのですが、帯が格高なので着物との格が合致しませんので、紬の着物にはNGです。
箔は光りますので、紬には向きません。Tシャツにビロードのロングスカートはいたような感じでしょうか。
紬の着物にOKな帯の組み合わせ
こちらはツヤのない「しゃれ袋」ですので、OKな組み合わせになるんですね。
真夏の7・8月以外は使えるんですが、礼装などの正式な場に使うことは控えた方が無難です。
柔らか物や紋のない江戸小紋までです。シルクの大きめシャツにデニムといった装いになりますでしょうか。
紅型染めの名古屋帯はOKです。
着物の格と帯の格がぴったりと落ち着き、普段着だとしてもおしゃれです。
Tシャツにジーンズといったラフ感です。
源氏物語の兵児帯もOKな組み合わせです。
こちらもTシャツにジーンズといったカジュアルな装いです。
三十紐を使ってパタパタ結びにするなどして、遊び感覚で組み合わせたいですね。
半幅帯はOK
半幅帯は大体の場合、どんな組み合わせにも適していると言えます。
浴衣から、ウール、木綿、デニム、洗える着物なんでもござれです。
こちらもTシャツにジーンズのといったようなラフ感覚な組み合わせとなります。
半幅帯でも、舞台用など金銀の糸使用のものは、合わせられませんので、ご注意くださいね。
帯留めについて
パールが施された帯留めは正装に適しているため、気軽な普段着感覚の紬着物には合わないとされています。
透明感のあるガラス玉は浴衣や夏着物向きですが、透明度の低いものはご利用可能です。
これもお教室あるあるですが、厳しい先輩には紬の着物にパールの帯締め(パールといっても真珠じゃあなく模造品ですが)はダメと言われますね。
コットンパールはOKなんですよね。ビーズ屋さんで良く扱っていますし、ビーズとパールは相性が良く細工しやすいですね。
紬着物にNG帯とOK帯とは?まとめ
織りの紬の着物にコーディネートするNG帯とOK帯ってどんなものでしょうか。
単純にツヤ感のあるもの光沢のあるものは、着物と帯との格が合わないので避けましょう。
という建前なんですが、絶対ということはありませんので紬にツヤや光沢のある帯でも構わないですよ。
ただ、この組み合わせはダメよと仰った方に会うと分かっているときには、「人の話をちゃんと聞いてるのかな?」ってことになってしまいますので、絶対にコーディネートしません。
ラフな普段着感覚を気にかけながら組み合わせてみると割としっくり落ち着きます。
博多帯は様々なスタイルに広く調和するとされています。
気軽なお出掛けや友人との食事などサラリと組み合わせて行かれたら気分も上がりますよね。
自身と他者に対して親切に振る舞うことができるし、自身の行動も洗練されます。
ぜひ、着物一歩踏み出して頂けたら嬉しいです。
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